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太宰治「津軽」

太宰治は教科書の走れメロス以外で初めて読みました。

津軽の方に興味があるときで、有名な作家の名前の本なので読みました。

小説ではなく、旅エッセイでしょうか。初めの方は、じりじりした心の中の話と、郷里の情報です。
心の中の話も、なるほど有名な作家のお話で引き込まれるところがあります。

すごいのが、最終章。静かなのに勢いがあって感動すら沸いてきます。
語彙もすごい。すごいっていう言葉を使いすぎていますが、短いお話ですがそう思いました。

「翌る朝、従姉に起こされ、大急ぎでご飯を食べて停車場に駆けつけ、やっと一番の汽車に間に合った。きょうもまた、よいお天気である。私の頭は朦朧としている。二日酔いの気味である。ハイカラ町の家には、こわい人もいないので、前夜、少し飲みすぎたのである。脂汗が、じっとり額に湧いて出る。爽かな朝日が汽車の中に射込んで、私ひとりが濁って腐敗しているようで、どうにもかなわない気持である。
・・・
やがて、十三湖が冷え冷えと白く目前に展開する。浅い真珠貝に水を盛ったような、気品はあるがはかない感じの湖である。波一つない。船も浮かんでない。ひっそりしていて、そうして、なかなかひろい。人に捨てられた孤独の水たまりである。
・・・
この辺からそろそろ国防上たいせつな箇所になるので、れいに依って以後は、こまかい描写は避けよう。
・・・
さて、古聖人の獲麟を気取るわけでもないけれど、聖戦下の新津軽風土記も、作者のこの獲友の告白を以て、ひとまずペンをとどめて大過ないかと思われる。まだまだ書きたい事が、あれこれとあったのだが、津軽の生きている雰囲気は、以上でだいたい語り尽くしたようにも思われる。私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」

太宰さんの言葉そのままです。

IMG_20170928_224332津軽










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